アニメ夜話・第260回 映画「ひるね姫」(注:ネタバレ)
2017.04.09 Sunday
本作について、どのようにコメントしてもネタバレにならざるを得ません。
従って視聴予定でまだ未視聴の方は、本文を読まないようにお願いします。
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自動車の自動運転技術というのが、どれくらい大変なものなのか、
必要なものなのか、何を克服しなければならないのか。
そういった事がベースにあるストーリーで、予告編から予想する、
一種のファンタジックな話という感じではありません。
国内最大の自動車メーカーである志島モータースが、2020年の
東京オリンピックで自動運転車によるパレードを行う予定が、
その技術が完成しないといった、大企業の面子が掛かった問題を抱え、
実は完成していた自動運転のソフトウェアが入った、たった1枚の
タブレットを巡って登場人物たちがスッタモンダするという話です。
舞台として後半、自分のよく知ったお台場が出てきて、
志島モータース本社がそこにある設定でした。いや、懐かしいなぁ〜。
肝心の昼寝なんですけど、これは映画として映像演出として使われ、
とても面白いのですがシナリオ進行に大きく関与するものではないですね。
主人公が寝ると(昼寝に限らず)、現実とオーバーラップする夢をみるのですが、
夢が現実化するのではなく、実は父親から幼いときに聞かされた、
おとぎ話が夢で展開しているだけで、一種の刷り込み現象であり、
この父親の作ったおとぎ話が悲しいことに現実になってしまった、
というのが話の核心です。
細かいところでツッコミを入れたくなる疑問もあるのですが、
全体に影響することではないので、まぁ良いでしょう。
主人公の女子高生ココネの母親であるイクミという人が、現実では故人で、
その死因というのが事故死ということで語られています。
自動運転車のプロトモデルが完成し、生まれて間もない赤子のココネを父親に預け、
イクミが自ら開発したそのプロトモデルに試乗して出発するという回想シーンがあり、
このシーンで母であるイクミが事故に遭い、死亡してしまうのでは無いかと、
ヒヤヒヤさせるシーンがあります。実際には自動運転は大成功で、
イクミの事故シーンは存在しませんでしたけどね。
でもイクミの事故死については、あまり多くが語られておらず(夢の中では転落死だった)、
ちょっと気になります。
声の出演で、古田新太や高橋英樹など、みんな上手いですね〜。
なんかアニメっぽくないアニメ映画に仕上がっています。
http://wwws.warnerbros.co.jp/hirunehime/